あかてん☆戦争(2006.7.20) あれはそう、中学一年生の一学期、初めての定期試験後の出来事だった。 紺色のブレザー姿、まだ髪を結んでもスズメのしっぽ程度にしかならない、歳のわりに幼く見えてしまう、そんな、今と大して変わらない双葉がいた。 あの日、彼女は試験結果である答案用紙を抱えて俺の方へ走ってきた。場所は俺の家の廊下。見せに来てくれたらしい。半泣きで。 「いっちゃん……っ」 「げっ? どっどーした双葉っ?」 まだ未熟だった俺。双葉の瞳に溜まった雫に激しく動揺していた。今ならありえない。 「私、赤点を取ってしまったのっ」 「はぁっ? まさかお前が?」 双葉は神クラスのアホだが、頭が悪い訳ではない。今回の試験を振り返り、そんなに相性の悪い分野があっただろうかと悩む。双葉なら楽勝だろうと考えていたのに。一体どれが悪かったのだろうか。 「何、どれが悪かったんだ?」 「……全部よ」 「嘘だ……一番悪くて何点?」 「……八十六点」 「……。ちょっと待て双葉っ! 何処が赤点なんだよっ?」 今の俺にはそんな気力はない。だが、あの当時はそれがあった。頑張りすぎな、猛烈な突っ込みの前に双葉は泣き出す。驚かせたらしい。 彼女の言い分はこう。「だって、全部赤ペンで書かれているんですもの。赤点じゃない」。泣きながら、何故赤で書かれているのかを必死で双葉は考えていた。 ……案ずるな、俺も皆も永遠の赤点だ。 ☆ 本日の試合結果。あかてん勝利。 -レッツ☆ウォーtop- |